第1日目:ウスワイア(アルゼンチン)/乗船
これから始まる冒険の1日目です。夕方にはアルゼンチンにある世界最南端の町、ウスワイアを出港して、ビーグル水道へと針路を取り航海が始まります。
第2日目:海上
船は、フォークランド諸島を目指します。 船内では南極の歴史、海洋哺乳動物、氷河学、鳥類、ペンギンなどの専門家によるレクチャーが始まります。これらのレクチャーは自由参加です。 北東へ航海する過程では、ワタリアホウドリを含む海鳥がたくさん見られるでしょう。
第3-4日目:フォークランド諸島(マルビナス諸島)
翌朝にはフォークランド諸島に到着し、ゾディアックボートに乗り移り上陸します。 そこではマユグロアホウドリを含む多くの海鳥が見られ、シーライオン島での最初のペンギン観測ではイワトビペンギン、ジェンツーペンギン、マゼランペンギンなどに出迎えられます。
ブリーカー島では無数の海鵜を観察し、さらに多くのマゼランペンギンが見られます。 翌日、フォークランド諸島の首都であるスタンリーに上陸します。 スタンリーの町並みはイギリス風で、19世紀のイギリス植民地時代の建物が多く残り、その当時は水深の深い港としてとても賑わっていました。 イギリス人伯爵エドワード・スミス=スタンリーが収集した、歴史的価値の高い切手が展示されている博物館にも立ち寄ります。
第5-6日目:海上
次に向かうのは、サウスジョージア島の南東です。この航海中は、双眼鏡を用いて、クジラや海鳥、その他の海洋哺乳類の観察を楽しんでください。 船内では、歴史の専門家により、南極大陸を探検した偉大な英雄たちについてのレクチャーが行われます。 また、OOEのスタッフが一番に大切にしているテーマ、「南極の保護」についても学び、地球温暖化からいかにして南極の氷、野生動物を守るかを語り合います。
第7-9日目:サウスジョージア島
サウスジョージア島に到着すると、雪に覆われた壮大な山々が出迎えてくれます。ここはこの地域で最も起伏の多い島です。 そのため、船は、サリスベリープレイン(Salisbury Plain)やセントアンドリュー湾(St Andrew Bay)など、上陸しやすい場所へと移動します。 ここでのハイライトは何と言っても想像を絶する数のキングペンギン! 何十万というおびただしい数のキングペンギンが岸の隅から隅までを覆い隠します。 ペンギンの他にも、オットセイが海から顔を覗かせ、上空にはトウゾクカモメやオオフルマカモメ、羽根を広げると2m以上にもなるアホウドリが飛びかい、浜辺ではハーレムの座をかけて争うゾウアザラシを見ることができるでしょう。
グリトビケン(スウェーデン語、Grytviken)では、古い捕鯨基地を探索し、もっとも有名な南極探検家、アーネスト・シャクルトンと、彼の右腕であったフランク・ワイルドの墓石を訪ねます。
シャクルトンの側近として仕えたワイルドの願いは、死後、シャクルトンの墓の隣に埋葬されることでしたが、その願いは、彼の死去一週間後に勃発した第二次世界大戦によって、叶うことはありませんでした。
しかし、南アフリカの作家であり、極地専門家のアンジー・バトラーの7年間に及ぶ研究旅行の末、彼女はヨハネスバーグでワイルドの遺灰を発見し、それをOOEの船に託しました。 そして、2011年12月、ついにワイルドの遺灰は、彼の子孫立ち合いの元、ここサウスジョージアに眠るシャクルトンの隣に埋葬されました。これは彼らの最後の冒険から実に94年後のことでした。
第10-12日目:海上
船はスコティア海を渡り、南下を続けます。とてつもなく大きい氷山に囲まれ、海の氷が少しづつとけ始め、南極への入り口が開かれます。氷解とともに、南極の夏の訪れを感じるでしょう。
このエリアでは海鳥やクジラなどが多く現れますので、ブリッジ(操舵室)や屋外デッキで観測を楽しんでください。
第13-16日目:サウスシェットランド諸島&南極半島
気象条件が良好であれば、船はサウスシェットランド諸島を通り、エレファント島に向かいます。 ここでは、冒険家アーネスト・シャクルトンの偉業についてさらに詳しく学びます。 この島は、1916年、シャクルトンの船がウェッデル海で氷に阻まれ座礁した後、疲労困憊した28人の探検隊が避難した場所です。 彼らはこの島にたどり着いたあと、フランク・ワイルドの名前から、避難地を「フランク岬」と名付けました。
その後船は、サウスシェットランド.諸島の島々の間を通って南極半島へ到達します。 キングジョージ島、ハーフムーン島、バリエントス島、リビングストン島などを通過する過程で、様々な野生動物に出くわすでしょう。 アデリーペンギン、ヒゲペンギンそしてジェンツーペンギンはここで繁殖し、またいくつかの種類のアザラシもここで育ちます。 運が良ければ、ザトウクジラがオキアミを食べている様子を眺めることができるでしょう。
気象条件が整えば、デセプション島に立ち寄り、火山のカルデラを見ることができます。ここはゴツゴツした岩地であり、地質学的にとても興味深い島です。 火山の影響で地熱が高いため、雪が解け、南極付近では珍しく地表がむき出しになっています。
約100年ほど前はノルウェーとチリの捕鯨会社が基地として使用した建物が、1967年の火山噴火後も廃墟となってそのまま浜辺に残されています。 この島には、マカロニペンギン、アゴヒゲペンギン、アデリーペンギン、ジェンツーペンギン、ナンキョクオットセイ、鵜、海燕、フルマカモメなどが生息しています。また、ここではクレーターの淵までハイキングすることが可能です。
そして、船はパラダイス湾、もしくはホープ湾に到着し、いよいよ南極大陸に上陸します。 間近に迫る氷山は圧巻で、ここからの風景に感動することでしょう。 チリのゴンザレスヴィデラ基地や、アルゼンチンのブラウン基地があります。 ここでもハイキングが可能で、高所から湾全体を眺めることができます。
第17日-18日目:ドレーク海峡
たくさんの動物たちとの遭遇、今までに見たことのない素晴らしい風景を目に焼き付けて、一生に一度の貴重な体験を胸に、船はドレーク海峡を再び超えて、ウスワイアへと帰路につきます。 最後のクジラや海鳥の観察をするため、双眼鏡を片手に甲板に出たり、船内で行われるレクチャーに参加したり、知り合った他の旅行者と写真や連絡先を交換したり・・・思い思いの時間をお過ごしください。 最後の夜には、船長を囲んでのディナーや、シャンパンをあけてパーティーが催されます。
第19日目:ウスワイア(アルゼンチン)/下船
早朝には船はウスワイアに帰港します。朝食後、シャトルバスにてウスワイアのホテル、または空港へお送りします。船の乗組員、スタッフ、仲間たちに別れを告げて、それぞれ帰国の途につきます。
※あくまで概略コースとしての日程となります。正確なルートやプログラム(活動日程)は、氷や天候により異なります。また、遭遇する野生動物も同様です。このユニークな探検の成功の鍵は、臨機応変な柔軟さにあります。
※オプショナルツアーのシーカヤックは気象状況が許す限り何回も催行されます。
ウスワイア・アルゼンチン(Ushuaia, Argentina)
アルゼンの最南端ティエラデルフェゴの都市。南極に最も近い世界最南端の町です。
フォークランド諸島(Falkland Islands)
スペイン語でマルビナス諸島。南大西洋に幅257Kmm、長さ136kmの海域に散らばる200以上の島々で形成され、南極収束線以北、冷涼で風が強い地域です。
鳥類約65種(ペンギン:キングペンギン,ゼンツーペンギン,マカロギペンギン,イワトビペンギン,マゼランペンギン アホウドリ、フルマカモメ、トウゾクカモメ、ヒメサヤハシ、チドリ)や、ヒョウアザラシ、ミナミアメリカオットセイ、アシカなどの哺乳動物,顕花植物約150種が生息しています
サウスジョージア島(South Georgia Island)
かつては、捕鯨基地として栄えましたが、現在の主な収入源は、イギリスで発行される郵便切手と漁業です。
フォーチュナベイ
サウスジョージア島の北に位置し、長さ4.8Km、幅1.6Km の広さの海岸線。1904-5年にサウスジョージアのグリットビッゲンに最初の捕鯨基地を建設した場所です。
グリットビッゲン
サウスジョージア島の英国地区の中心地。1902年にスゥエーデンの調査隊によって名づけられました。また、英国のアーネストシャクルトンが眠るゆかりのある場所で知られています。
ゴールドベイ
サウスジョージア島の東にあり、8Kmほどの小さな湾です。キングペンギン、ジェンツーペンギン、ゾウアザラシなどが観察できます。
サリスべリ―プレイン
20万のキングペンギンの営巣地。サウスジョージア島の北海岸に位置しています。サウスジョージア島では、キングペンギンのブリーディングサイトとしてよく知られています。
ウエッデル海(Weddell Sea)
全体で約2000kmもある領域には、厚い棚氷が覆っています。
サウスシェットランド諸島(South Shetland Islands)
英国とアルゼンチンが領土権を主張している場所。各国の観測基地が設置されています。
デセプション島
サウスシェットランド諸島の南端に位置する直径約13km、活火山の島。リング状の形をしており、ネプチューンズベロウと呼ばれる唯一の入り口から海水が入り湾となっています。1967年に噴火が起こりチリ基地や捕鯨会社の残骸が横たわっています。 この島では、地中温泉が湧き出していて温泉体験が楽しめます。マカロギペンギン、アゴヒゲペンギン、アデリーペンギン、ゼンツーペンギン、ナンキョクオットセイ、鵜、海燕、フルマカモメなどが生息しています。
ハーフムーン島
その名の通り三日月の形をしています。あごひげペンギンの営巣地の他に、南極アザラシや南オセグロカモメも生息しています。
リビングストン島
あごひげペンギン、ジェンツーペンギン、マカロニペンギンなどの営巣地。ウェッデルアザラシ、ゾウアザラシ、ヒョウアザラジなどが生息。大きな海燕、アジサシも見られます。
パラダイス湾
地球上で最も美しいといわれるこの湾は南極クルーズのハイライトのひとつ。美しいグレイシャーブルーの氷山が連なり、急な岸壁には南極アジサシ、鵜、海燕が巣を作っています。チリのゴンザレスヴィデラ基地やアルゼンチンのアルミランテ・ブラウン基地があります。
ピーターマン島
ルメール海峡の南に位置する島。アデリーペンギンやジェンツーペンギンの営巣地があります。
ポーレット島
1903年に沈んだ南極号のクルー達が建てたバラック小屋が残っています。繁殖期には10万羽にも及ぶアデリーペンギンが生息しています。
ルメール海峡
左右を約1,000~1,500mの絶壁に囲まれた幅400~500mの狭い海峡。水面は全く鏡そのもののように静かで両側の切り立ったフィヨルド風景は息を飲むほどの美しさです。
ポートロックロイ
イギリスの観測基地として作られた建物は、現在は博物館になっており、お土産屋があり、郵便局も兼ね備えているのでここから手紙を送ることができます。ジェンツーペンギンの大営巣地です。
ドレーク海峡(The Drake Passage)
フランシス・ドレークにちなんでつけられた海峡。この海域では、鯨や海鳥達がよくみられます。